発酵って身近で、静かな革命。
発酵文化人類学を読んで。ー発酵って身近で、静かな革命ー
まず、タイトル。
え、とおもわれる方、たくさんいると思う。そもそも発酵。
最近、にわかにたくさんのメディアで聞いたりするけど、実際のところ何なのよ。身体にいいんでしょ?くらいなのが一般的な感覚。
そして、次に文化人類学。馴染みがない。大学の授業で一般教養でマストだった。キツネのチャランケ的な話が出てきたのを覚えているくらい。
二乗のはてなが重なった状態で本を読み進める。僕的感想を述べる。
この本は、世界を見る解像度があがる本だ。
例えば、道ゆく草花を見たときにほとんどの人が名前を言えないと。けど、おばーちゃんとか、この草は何とかで食べれるんだよ、とか。
浸けると消毒になるとか、よく知ってるじゃないですか。おばーちゃんたちは、雑草じゃなくて、「食べ物」や「薬草」に見えてるんだよね。
雑草と見るか、食べ物や薬草に見るかってだいぶ世界が変わって見えると思うけど、この本も同じ効用を読者に与えてくれる。
発酵文化人類学の構造
でも、どんなメガネをかけるかで、見え方が全然違うじゃんって思う人もいると思う。
あら、それが不思議。「発酵」と「文化人類学」の根底に流れる考え方や構造が、実は、どの分野にも応用がきくのだ。(と、勝手に思っている。)
なんでかなー、っておもうと、著書から引用すると、、、ここだ!!!
人類がこんなにも多様な文化を生み出したかを考えるには、データを超えた仮説を生み出す想像力がいる=社会学。
ここです、ここー!!!その構造にあるのよ、考え方のプロセス、編集ポイントといってもいいかもしれない。簡単にいうと、膨大な量のデータや事象から体系化していく道のり=サイエンス とそこから何かしらの解決に向かうことや何かに紐づけること、関係づけることには想像力なんだ=アートといってもいいかもしれない。この二つのプロセスって実は、どんなフィールドでも使えるのだ。
自分の領域でもあるまちづくりで具体例を出そうか?
「豊かな地域」はどこがちがうのか―地域間競争の時代 (ちくま新書)
- 作者: 根本祐二
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/01/09
- メディア: 新書
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コーホート図という根拠に基づく分析をしている。地域から出ていく、入ってくという人数を5年ごとの国の調査データを使う解析。
そうすると、その地域の特色がサイエンスに基づいてわかるという考え方。どの世代が出て入ってっていうのが客観的にわかる。
ここまでは、完全にサイエンスの部分。上記の生命工学と、情報工学に当たる。
本の事例で行くと、三重県津市白山町の事例。ここの地域では、15歳から18歳の人数が一気に増える。そのあとは、減る。なんでだろうって考えるとダウンタウンの浜ちゃんの出身の全寮制の優秀な高校「日生学園」がある。何にもしなくても毎年、たくさんの学生さんが来るのだ。
ここからは、クリエイティブ。それじゃ、特色を使って何をするか考えるのだよ。(豊かな地域はどこが違うのかでは、移住やシビックプライドを基にして、移住政策を進めるんんじゃなくて、もともとたくさんの人がこの街に入れ替わりたちかわり来るのだから、その人たちと一緒に何かをすることの方が圧倒的に効率的で、街のファンが増えるという図式にたどりついてる。)
ほら、完全に構造は一緒でしょ?
事象に対する間口の広さ、そしてたどり着く出口の広さにびっくりする。
(筆者ブログの見取り図がわかりやすい!)
ディグッてくと、海底の底では繋がってるんだよ。
僕自身、まちづくりや地域に関わっていいたので、そう言った人たちにぜひ読んでもらいたいと思っている。
ってか触りだけで、こんなに話せるって奥深さにびっくりしてる。まだ第1章にも行ってないよ笑
ここから発酵文化人類学の旅が始まるんだよ。準備だけで、こんな楽しめるなんて。。。。
さぁ、早く旅に出よう!!