腹よわ男子の日記

お腹が弱い。ホラー映画が好き。スウェーデンの大学院でサステナビリティとリーダーシップの修士号をとりました〜。

あなた自身の社会を読んで

 

あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書

あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書

  • 作者: アーネリンドクウィスト,ヤンウェステル,Arne Lindquist,Jan Wester,川上邦夫
  • 出版社/メーカー: 新評論
  • 発売日: 1997/05
  • メディア: 単行本
  • 購入: 5人 クリック: 90回
  • この商品を含むブログ (39件) を見る
 

 

 
自分が行くかもしれない土地について、ちょっと前情報をっていうことで
スウェーデンの中学校の教科書を読んでみた。
 
少し前に話題になったらしい「あなた自身の社会」
あなた自身っていうのがとても北欧っぽい。
というのも、市役所に勤めている時に感じたのは、社会は公、つまり行政が担うものだという雰囲気を感じていたからだ。あなた自身というのは、どこか遠くで見ている感じではなく、ちゃんと社会の一部にいるという感じが伝わって来る。
 
さて、日本の地方自治の歴史を遡ると
地方自治法が制定されたのが1940年後半。戦後。
この時、日本は「豊かになりたい!」って思っていた。
ナショナルミニマム」「社会資本整備」を掲げて、日本の復興に力を注いでいったのよ。僕らのおじーちゃんおばぁちゃん。
プロセスについては割愛するとしても、今、日本はこの目標を達成したと言える。
 
そのプロセスで起きた弊害の一つに、社会を担うのは「公」という考えが蔓延してしまった。
個人の責任というよりかは、社会が求めていた、そういう社会だったという方が適切なような気がする。
ただ単に「豊かになる」という目標に、自分たちで考える、という作業は必要なかったのだ。国が決めたことを、はい、ヨロコンデェ!!と効率的・合理的にやる。ただそれだけだった。
 
 
「豊か」になったその後の日本は、今?
閉塞感や不平不満が漂っているように思える。
 
この感じにどうやって切り込んでこうかと、自分は日々考えているんだけど、一つのヒントがこの教科書じゃないかなぁと。
 
一つだけ補足しておくと、スウェーデンって教科書の検定?が廃止されていて、教科書は先生自身が選ぶらしい。なので、この教科書は、全部やるっていうよりかは、生徒の関心に合わせて、部分部分を取り上げているみたい。なので、教科書っていう言葉が持つイメージをそのまま使うのは語弊がある。
むしろ著者が見学に行った学校では補助的に使われている感じだった。
先生が選んだテーマを補助的に理解するために、この教科書を使っていた。
 
内容なんだけど、実社会につながるテーマが羅列されている。犯罪、性教育、株、クレジット、警察、教育、、、
 
そのテーマについて、多種多様、多角的、多面的な視点の「とい」を子供に投げる。正解はない。
例えば、犯罪を10個くらい羅列して、この犯罪を自分が悪いと思う順に並び替えて、その内容について、友達と比較してみよう。なぜその順番にしたのか、友達と話をしよう、とか。
 
事象について、いろいろな角度から議論している。
 
一方方向からの教育しか受けていない日本人にとって、多角的に物事を捉える、いま何を話をしているか、というか議論に必要な要素を持つことがすごく下手だと思っていて。
 
例えば、中田ヒデトシが後部座席に座った(日本代表で、バスの後部座席に座るのは決まって先輩で選ばれた人しか座れないっていうのを無視して中田が座っていた。)、というニュースがなぜか浮かんで笑  
先輩後輩の「礼儀」という観点からの視点が一番上になりそうだと思ったのよね。
ここで、いや、これは「イノベーションの視点」から考えると、と話出す人がいても、「あいつは礼儀がわかってねぇ!!!」っていって一蹴されそうなんだよね。
これは少し日本のムラ社会的発想にもつながるところがあるんだけど。
 
この正解がないテーマをみんなで話すっていう作業は、ハンターハンターのハンター試験でゴンが恋人か親を助けるときどうするか、みたいな正解がない回答を考えてた時に似てて、(その時のゴンは考えて他だけだけど)
みんなで共有する、話すっていうことが必要で。
ディスカッション。勝ち負けもない。ただその事象に対して、皆で触る、こねる、というような作業をかなりの量こなす。
勉強というより、生活を学ぶっていう方に近い。
 
この教育を通して、成熟した社会に立ち向っていく感じがするというか。やっぱ一つヒントになってるような気がするんだ。
じゃないとずっと人の責任にする人が出来上がっちゃうというか、ある事象に対して、ずっと行政のせいだ!あいつが悪い!って言ってたら何も進まないもんね。
 
あなたの社会であなたが社会の一員なんだよね。だから、あなたが何ができるかを常に考えなきゃいけない。
そして行動しなきゃいけない。
 
その結果、スウェーデンって世界で初めて脱石油国家を目指すとかを発表するとか、
やっぱり、経済を基盤にした感じよりか、どうやったら本当に一人一人が幸せになるか、っていう基盤をおいて議論してるんだろうなぁ(想像)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 その前に
 
 
 
 
まずは大学院受からないとね笑